大瀬崎より 9月13日〜9月20日の大瀬崎観察日記

9月25日 天気:曇りのち晴れ  風向:南西  風力:1〜2


天気は曇りですが、70km先の男女群島の崖の色がわかるくらい視界が良い朝です。
ハチクマは6時10分頃から飛び立ちが始まりましたが、引き返しや、大瀬山上空で渡りをためらって
る?群れが多いので、撮影、観察にはもってこいです。9時頃通り雨があり、その後はガスがかかって
視界が悪くなりましたが、雨がやむのをまっていたかのようにハチクマの飛び立ちが始まり、900羽
以上の大集団になりました。

午後2時頃からは飛来したハチクマがねぐら入りのため大瀬山周辺にも多数降りたので、明日は下の方
から上昇してくるハチクマを見れると思います。(出口)


ねぐら入りのため降下するハチクマ



ねぐら入りのため降下するハチクマ

9月24日 天気:曇り・霧あり  風向:北東のち南  風力:1〜2


濃いめの霧があり、有効視界は1kmほどで風が弱い朝を迎えた。
6時40分ごろに12羽ほどが大瀬山の西側で旋回したが、引き返して斜面に降下し静かになった。
昨日と同じで、8時過ぎまでハチクマが飛ばないパターンである。

大瀬山の観察者は静かにその時を待った。8時9分に23羽の群れが舞い始め、大瀬山に向かって飛んで
くる。その後は帯状の大群が次から次へと飛来し、大瀬山の東西南北と上空まで埋め尽くし、ハチクマの
群れが乱舞する状態になった。これに至る状況を簡単に説明すると、霧で視界が悪いため、海上に飛び立
つのをためらうハチクマが、陸伝いに移動して、福江島最西端の大瀬山に集まってくる現象である。

この時に圧巻なのは、東側の谷筋を南に移動する群れを山頂から見下ろす形で観察できることであろう。
また、個体の滞空時間も非常に長い特徴がある。今日は、大部分のハチクマが渡り終えたのは9時16分
過ぎだったので、1時間あまりも群れに囲まれて幸せな時間を過ごした。その余韻の中、電話の応対に出
たFさんが思わず発した一言「出た出た・この世のものとは思えん・・・!!」今日の感想をあまりにも
的確に表現した一言だったので、山頂の観察者一同に大受けした(爆)。

カウントはベテランの石井明子さんと岐阜県からのお客様・小森ご夫妻にお任せして、私はひたすら撮影
に没頭・・感謝・感謝でした(井上)


この世のものとは思えん・・・! ハチクマの群れのごく一部4枚・その1



その2



その3



その4

9月23日 天気:晴れ一時曇り  風向:西  風力:1〜2


今朝は霧が薄く立ち込めて視界が良くない。風も弱いが、何故かハチクマの気配がしない。
6時30分すぎから40羽程度の飛来があったが、北側上空を旋回したのち、北東の島山島に引き返し
てしまった。このようなときは8時を過ぎたころから飛び始めることが多いので待っていると、予想通
り8時15分過ぎに、あちこちから湧き上がった群れがやってきた。

上空では200羽ほどのハチクマが旋回を繰り返す。「すごい」「綺麗」と感動の声が上がっていた。
今朝は地元の方々や子供たちの参加もあり、ハチクマの渡りの雄大さを見ていただくことができて良
かった。民放TV局の取材があったので、近日中に長崎地区のローカルニュースでは、ハチクマの渡りの
放送があるはずです。

昼前になると九州本土からの飛来が始まり、150羽・200羽・350羽といった大きな群れが次々
と入ってきた。このような規模で群れが飛来することは珍しい。残念ながら雲が多くて、どの群れも雲
に隠れてしまい、巨大な群れやタカ柱を撮影することができなかった。明朝は3,000羽規模の渡り
が見られるはずです・・・!(井上)


ハチクマ♂



ハチクマ♂ 体色・模様の変化に注目

9月22日 天気:曇りのち晴れ  風向:南のち北西  風力:2〜3


曇り空で風が弱い、穏やかな朝を迎えた。前日の滞在個体が多いことと併せて、大瀬山にハチクマの
群れが飛来する条件が整っている。その予想どおり6時23分に群れが動き始めた。次々と飛来が続き
やがて上空は200羽ほどの群れでいっぱいになった。風が弱いためか、なかなか渡ろうとせず、大瀬
山上空を長時間旋回して観察者とカメラマンを堪能させた。近距離の順光側で旋回する個体も多かった。

私が撮影に夢中になっているあいだ、北側海上を帯状に渡っていく点状のハチクマを、出口さんが必死
でカウントしてくれた。2,000羽余りを数えた顔も満足そうだった。
午後は13時を過ぎたころから飛来が続き、東側の谷筋や上空に接近したハチクマを撮影する、軽快な
シャッター音が響いた。もう少しのあいだは、良い渡りを見られる日が続きそう・・・!(井上)


大瀬山上空を舞ったハチクマの群れ



東側の谷筋を飛翔するハチクマ

9月21日 天気:曇りのち晴れ  風向:南のち北西  風力:2〜3


未明には雷を伴った激しい雨が通過して行った。
日の出前に雨は上がるが、低い雲があり青空は出ない。
ハチクマはいつもより少し遅めに飛び立ち始め、やがて大きな群れになって大瀬山周辺を飛翔した。
西方海上は暗くて雨雲があるせいか、旋回を繰り返すばかりでなかなか渡らない。上空の群れを見上げ
る39名の歓声が賑やかだった。

やがて86羽が海上へ出たが、残りの250羽ほどは福江島の内陸部へ引き返した。このとき西海上か
らは雨のカーテンが迫ってきたため、皆さんが大瀬山を下りて車に避難した。
しばらく激しい降雨があったが、8時半過ぎには雨が上がり、その後は穏やかな天候になる。9時前に
は島に残っていた群れが渡りはじめ、北側海上の遠方をけし粒ほどのハチクマが帯状に渡るのを必死で
カウントした。
午後には東側の谷筋を飛翔するハチクマが多くて、十数台並んだカメラの軽快なシャッター音が響いた。
(井上)


島山島の西端部を舞うハチクマの群れ



大瀬崎灯台のあるがけ地を飛翔するハチクマ♂