10月3日 天気:快晴のち晴 風向:北東のち北 風力:3→2 | |
快晴で北の風、風力3・視界良好の朝を迎える。 大瀬山には来ない天候なので残念だが、渡りのハチクマたちにとっては絶好の気象条件だ。 予想通り北側海上を西に流れる群れが、6時半から飛び始める。ケシ粒よりもまだ小さい帯状の点を 必死に追う。西側の海上6kmほどのところで群れとなり、舞い上がる300羽ほどのタカ柱は、遠い けれど見ごたえがあった。7時6分に渡りが止まり、858羽が渡った。 もう渡りも終わりかと思っていたが、結構な数が出て以外だった。 午後も良い天候が続き、男女群島がくっきりと見える。このような天候の時には午後に渡る個体も ある。今日も12時半過ぎに飛来した150羽ほどの群れのうち約半数が西に渡って行った。 渡るものあり、島に引き返すものありで、その判断の基準が何によるのか? ハチクマの渡りが、統率のとれた群れとしての行動ではなく、個々の判断であることが よくわかる瞬間だ。(井上) |
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![]() 写真:大瀬山上空のハチクマ |
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10月2日 天気:晴れ のち 快晴 風向:北のち北北西 風力:3 | |
北風が強く吹き、ハチクマの飛翔速度が速い。 大瀬山の上空には250羽ほどが飛来したが、気忙しく旋回して高度を上げ、小さい群れのまま 次々と西の海上へ出ていく。 期待した、上空に残る月の下で群れが旋回する様子は観察できなかった。 北側の海上を渡るハチクマも大きくまとまらないままに、20羽程度の小さい群れで渡っていく。 朝の渡りは2時間ほど続いた。ねぐら入りした場所が、広範囲だったようだ。 その後は動きがなく、午後の飛来も130羽程度と少なくなった。(井上) |
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![]() 写真:月の下を舞うハチクマ |
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![]() 写真:大瀬崎を渡るコムクドリの群れ(10月1日) |
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![]() 写真:大瀬山上空のハチクマ・♀ |
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10月1日 天気:晴れ のち 快晴 風向:東 のち 北西 風力:1→3 | |
調査を始めて以来、最も視界のよい朝となる。 男女群島がくっきり見えて、空と水平線のコントラストが奇麗だ。 風は弱いが、このような日は大瀬山に近づく群れは少ないはず? 予想通り、北の海上を点々と 西へ渡っていく群れを数え続けた。 昨日の飛来状況から、渡りは300羽程度と予想していたが、ハチクマの飛来が止まらない。 約1時間、1200羽あまりもの渡りの帯が続いた。 どうやら、昨日は渡らずに、島に滞在していた個体が多かったようだ。 渡りも終盤なので、午後は静かかと思ったら、飛来するハチクマが多かった。 10月には珍しく、アカハラダカも飛来してハチクマと共に旋回してくれた。 明朝はまだ、上空に月が残るので、月の下を舞うハチクマの群れが見たいものだ。(井上) |
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![]() 写真:大瀬山上空を舞うハチクマとアカハラダカ |
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![]() 写真:大瀬山上空を飛翔するチゴハヤブサ |
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9月30日 天気:曇りのち晴 風向:北東のち北西 風力:2~3 | |
今日は休日なので、地元の方々が大勢(19名)ハチクマの渡りを観察に来られた。 あいにくの曇り空で暗く、北東の風が強くて肌寒い。 ハチクマが大瀬山に飛来するか心配であったが、6時半過ぎに東側の斜面からねぐら立ちした個体が 次々と飛び立ち群れとなった。 谷筋をゆっくりと旋回しながら上昇し、背中から下面までよく見せてくれた。 トビも仲間入りして旋回し、識別講座のモデルとなる。近くで観察できたハチクマは100羽程度と 多くはなかったが、海上へ出て行く様子まで見ていただき、絶好の渡り観察会となった。 地元の方々に関心を持っていただくことは、何より喜ばしい。 今日は渡りの数が少なかったので、日中に島内の田んぼまわりをした。 稲刈りの真っ最中で農耕地に立ち入れず、よく観察はできなかったが、この時期多いチョウゲンボウや チゴハヤブサの姿が無い。 また、ツメナガセキレイも1羽を確認したのみで、渡り鳥の姿は少なかった。 夕方は快晴となり、200羽ほどのハチクマが飛来したので、明日は数が出そうだ。(井上) |
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![]() 写真:大瀬山上空を飛ぶハヤブサ・♀(9月28日) |
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9月29日 天気:晴 風向:東のち北西 風力:3→2 | |
今朝は、適度な風があるためか大瀬山に近づくハチクマは少なく、北側海上を低く渡っていく個体が 多かった。霞が強くて有効視界は3km程度であったため、確認できた渡り個体は900羽あまりに とどまり、前日に飛来したとみられる1,300羽のすべてを見送ることができなかった。 午後の飛来は、昨日のにぎやかさに比べると極端に少なく、230羽あまりだった。 大瀬山での渡り確認個体が、本日で10,000羽を超えたので、そろそろ在庫も残り少なくなって きたとみられる。(井上) |
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![]() 写真:大瀬山上空のハチクマ・♀ |
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![]() 写真:大瀬山上空を旋回するハチクマ |
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9月28日 天気:晴 風向:南西のち西 風力:1~2 | |
きのう大瀬山周辺にねぐら入りしたハチクマが多かったせいか、6時半ごろより近くの斜面から次々と 飛び立ち始める。上空は晴れて、朝焼けが奇麗な空を背景に群れが旋回する。 その群れに引きつけられるように、周辺の群れが大瀬山に集まってくるので、上空は今日もハチクマで いっぱいになった。 やがて旋回する群れがとけ、西の海上に飛び立っていく後ろ姿は、横一文字の大集団だ。 7時過ぎまでに700羽あまりを見送ったが、後は遠くの北側海上の渡りとなる。 帯状の渡りが続き、9時までに1,200羽を超えた。 午後の飛来も1,300羽を超えて多かった。高低差200m、360羽ものハチクマの旋回は 文字どおり「タカ柱」であったし、頭上を旋回した400羽の大集団は今年最大の群れだった。今年の 大瀬山はハズレの日がない。(井上) |
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![]() 写真:朝焼けの空を渡るハチクマ |
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![]() 写真:西に渡るハチクマ・帯状の渡りは「天の川」を連想させる。 |
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9月27日 天気:晴 風向:南のち西南西 風力:3→2 | |
今朝は霞があり視界が良くない。標高の低い所は風が弱く、ハチクマはなかなか飛び立たない。 このような日は、飛び立ちが遅く、大瀬山にたくさん飛来するパターンだ。 予想どおり7時前になってやっと飛び始める。 群れのほとんど、400羽あまりが、東側の谷から上昇してきたため、背中からじっくり観察できた。 風が弱かったためすぐには海上に出ず、しばらく上空を旋回飛翔したので、渡った個体の数倍も見た 気がする。今期、最良の一日と言ってよい日だった。 午後の飛来も多くて、100羽から300羽程度の縦長いタカ柱が何回かできる。 大瀬山周辺に降下してねぐら入りした個体も多かったので、夕方は木の頂部にとまっているハチクマを たくさん観察できた。(井上) |
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![]() 写真:ねぐら入りのために急降下するハチクマ |
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![]() 写真:ヒノキ頂部に降りてねぐら入りする前のハチクマ |
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